・このページの内容は、International WAGR Syndrome Association(IWSA)の許可を得て、IWSAweb site上の記事を翻訳・転載したものです→こちら
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Translated by Madoka Hasegawa, June 2015

WAGR症候群の寿命
子どもがWAGR症候群であると診断されると、親は普通、起こりうる疾患、その中でも特に命に関わる恐れのある疾患がどんな病気なのかをとても心配します。多くの親は、WAGR症候群の人の余命は短いのか知りたいと考えます。

WAGR
症候群の寿命は公式に調べられたことはありません。しかしながら、International WAGR Syndrome Associationにはおよそ200人のWAGR症候群患者が属しています。その大多数は小児、10代、青年です。少数の30代の患者と、現在40代の人が数人います。

WAGR
症候群に年配者がいないように思われる理由は、いくつかあります。まず、1970年代後半まで、ウィルムス腫瘍の有効な治療法がなかったことです。WAGR症候群の子供はウィルムス腫瘍になる確率が50%あるので、その頃までにウィルムス腫瘍にならなかったひとだけが、幼児期を越えて生きられたのです。

もう1つの考えうる理由は、1980年代半ばまで、WAGR症候群と言う言葉は使われていなかったということです。それまでこの疾患は、「無虹彩-ウィルムス腫瘍症候群」や「AGR症候群」、「11p-症候群」のように様々に呼ばれていました。「散発性無虹彩」とだけ診断されることも、非常に多くありました。最初に上記の古い疾患名で診断された成人がいて、その親や担当医が、学術用語(病名)が変更されたことに気づいていない可能性もあります。

最後に考慮すべきもう1つの要因は、WAGR症候群の成人の親の年齢です。高齢の親は若い親に比べて、自分の子どもの病気について、情報求めてインターネットを利用することが少ないかもしれません。2012年のPew Research Center studyによると、65歳以上のアメリカ人成人のうち、たった53%の人しかインターネットを利用しないということでした。その上、197080年代に障害者の権利運動が行われるまでは、障害者に対する社会の見方はしばしばネガティブなものであり、親や家族への支援はほとんどありませんでした。その結果、年配の親たちは、International WAGR Syndrome Associationのような組織を探したり、参加しようとあまりしなかった可能性があります。

WAGR症候群の生命予後は現在のところわかりませんが、これだけは確かです:WAGR症候群に関連のある疾患の医学的な診断法と治療法は、1980年代から着実に進歩してきています。どのような進歩があったかというと:
・遺伝子検査の進歩のおかげで、WAGR症候群の診断を出生前や生まれてすぐにできるようになった
・生まれてすぐからウィルムス腫瘍の定期観察をするようになった
・ウィルムス腫瘍の治療方法が、効果が優れているだけでなく、治療期間はより短く長期的な副作用が少ないものになった

・慢性腎臓病の診断と治療が早期になされるようになったおかげで、腎機能を劇的に長く維持できるようになった
WAGR症候群の患者で、透析and/or腎移植が可能であり、それがうまくいくことが示されてきた
今日WAGR症候群と診断される子どもの前途は、以前よりも明るいです。そして、研究が続けられていくことで、その生活はより健康で長いものになっていくでしょう。

最終更新日:20155
Kelly Trout, BSN, RN
Health Consultant
International WAGR Syndrome Association

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