・このページの内容は、International WAGR Syndrome Association(IWSA)の許可を得て、IWSAweb site上の記事を翻訳・転載したものです→こちら
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Translated by Madoka Hasegawa, June 2015

関連疾患
WAGR
症候群の人は一般の人と比べて、ある健康問題のリスクが高いです。この項では、それら健康上の問題についての情報を示します。

WAGR
症候群の中には、これらの中の1つかいくつかの疾患を発症する可能性がありますが、これら全てを生じる人はいないということを、覚えておくことが大切です。

不安障害、うつ、強迫性障害(OCD)
これらは、持続的なor過度な心配や恐怖(不安障害)、持続的なor過度な悲しい感情や興味の喪失(うつ)、コントロールできない不必要な思考と繰り返す儀式的な行動(強迫性障害)といった、精神上の健康状態のことです。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.mayoclinic.org

注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動障害(ADHD)
ADD
ADHDは、集中力の欠如、衝動性、集中を持続することの困難さ、行動を制御する困難さ、多動(過活動)のような症状のある、行動障害です。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.nih.gov

聴覚情報処理障害(APD)、中枢性聴覚情報処理障害(CAPD)
これは、脳が聴覚情報を処理する方法に影響を与える、様々な疾患を指す言い方です。APDの人は通常、外耳・中耳・内耳の構造と機能(末梢性聴覚)は正常です。しかしながら、他の人と同じように聞いた情報を処理できなくて、音、特に言葉を構成する音を認識し解釈するのが困難になります。これらの問題は、中枢神経系(例えば脳)の機能障害により生じると考えられています。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.asha.org/

自閉症、自閉症スペクトラム障害(ASD)
自閉症は、環境への関わり方と他人との関係に影響を与える、生涯にわたりつづく発達上の状態です。
注意:自閉症や自閉症スペクトラム障害は、WAGR症候群の子どもにおいて過剰診断されることがあります。

NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/認知と行動
問題行動(Challenging behavior)への対応
症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.ninds.nih.gov

慢性腎臓病(巣状分節性糸球体硬化症、FSGS)
WAGR
症候群のおよそ60%の人が、生涯のどこかの時点で(多くは青年期か早期成人期)慢性腎臓病/腎不全を発症します。症状には、高血圧と尿タンパクがあるでしょう。慢性腎臓病のリスクが高いのは、ウィルムス腫瘍を発症しなかったWAGR症候群の人にも言えることです。

WAGR
症候群と慢性腎臓病Q&A

痛みに対する行動反応の低下
遺伝子欠失がBDNF(Brain-derived neurotrophic factor)遺伝子にも及んでいるWAGR症候群の人は、痛みに対する行動反応が低下しているリスクが高いです。両親や医師は、けがや病気の診断が遅くならないよう、特に用心深くなる必要があります。これに該当するような子供/大人は、辛さを典型的な形で表現しない可能性があるからです。

NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/痛覚
WAGR
症候群患者におけるBDNFハプロ不全は、痛みに対する行動反応低下と関連がある

脂質異常症
脂質異常症とは、血中の脂質(コレステロールand/or中性脂肪)濃度が異常な状態のことです。脂質異常症は、心疾患の高リスクと関連があります。WAGR症候群の人では、脂質異常症は慢性腎臓病and/or慢性膵炎と関連がある可能性があります。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.nhlbi.nih.gov

てんかん/痙攣発作
てんかんとは、神経系に影響を及ぼす神経学的状態のことです。てんかんは痙攣性疾患としても知られています。WAGR症候群の子供/大人では、てんかん/痙攣性疾患が通常の人よりよくあります。

てんかんとWAGR症候群
症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.healthline.com

過食症
過食症は、異常に増した食欲と食べ物の消費のことです。遺伝子欠失がBDNF遺伝子にも及んでいるWAGR症候群の人は、この状態のリスクが上昇しています。
食事管理についてはこちらも読んでください:www.pwcf.org
注意:過食症はWAGR症候群とPrader-Willi症候群両方によく見られます。しかしこの2つの症候群は関連がありません。

肥満
肥満とは、除脂肪体重に比較して過度に大量の体脂肪がある状態です。遺伝子欠失がBDNF遺伝子にも及んでいるWAGR症候群の人は、早期発症の肥満のリスクが上昇しています(10歳未満で発症します)

NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/肥満
肥満とBDNF
WAGR
症候群における肥満

膵炎
膵炎とは、膵臓(胃の後ろにある大きな腺)に炎症が起きた状態のことです。膵炎には急性と慢性のものがあります。膵炎が起きると、著しい痛みが生じ、稀には致命的となることもあります。慢性膵炎は、通常の子どもでは一般的なものではないので、WAGR症候群の子供は膵炎のリスクが高いということを、両親と医師が認識していることが大切です。WAGR症候群の子供/大人は、高脂血症(血中コレステロール値が高値)がある場合や、手術前や手術中にしばしば用いられる麻酔薬であるプロポフォール(ディプリバン)が投与されたときに、急性膵炎のリスクが高くなります。

NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/膵炎のリスク上昇
症状、診断、治療についてのさらなる情報:膵炎とWAGR症候群

Potocki-Shaffer
症候群
Potocki-Shaffer
症候群(proximal 11p deletion症候群として知られています)は、11番染色体の短碗上の11p11.2と示される場所の、遺伝子が欠失することにより生じます。WAGR症候群の人の中には、この領域も遺伝子欠失に含んでいる人がいます。Potocki-Shaffer症候群の症状には、外骨腫と呼ばれる、癌ではない(良性の)多発性の骨腫瘍や、頭蓋のてっぺんと側面の大部分を構成する2つの骨にある、拡大した孔(拡大頭頂孔)があります。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:ghr.nlm.nih.gov

側彎
WAGR
症候群の子供/大人では、側彎(脊椎の湾曲)が通常の人よりもよくあります。

側彎とWAGR症候群
症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.niams.nih.gov

感覚統合障害(Sensory Processing Disorder(SPD) or Sensory Integration Disorder
感覚統合障害とは、様々な感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、前庭覚、固有覚)からの情報が、周囲の要求に適した反応をするための適切な処理が行われないような状態のことをいいます。感覚統合障害のある子どもは、軽いまたは予期せぬ接触をとても苦痛に感じたり、音(音量や周波数)にとても敏感であったり、痛みに対する閾値が異常に高いまたは低かったり、ある種の光やパターンをとても不快に感じたりします。

感覚統合障害に関するヒントとコツ
感覚統合障害チェックリスト
症状、診断、治療についてのさらなる情報:sensorysmarts.com

睡眠時無呼吸
睡眠時無呼吸とは、睡眠中に呼吸が停止したり、浅くなったり、呼吸数が少なくなったりすることを特徴とする睡眠障害です。呼吸の停止(無呼吸と呼ばれます)は毎回それぞれ、数秒から数分続きます。典型的には、そのあと正常な呼吸が再開しますが、時にはうるさいいびきや息苦しそうな音を伴います。WAGR症候群の子供/大人では、睡眠時無呼吸が通常の人よりもよくあります。

症状、診断、治療についてのさらなる情報:www.nhlbi.nih.gov

睡眠障害
WAGR
症候群の子供と大人は、しばしば睡眠の問題を抱えています。これには、入眠困難や夜中眠り続けることの困難などがあるかもしれません。WAGR症候群の人の睡眠障害は、松果体がないか低形成であることによって生じると考えられています。松果体は脳の中にあり、メラトニンという睡眠の調節を助けるホルモンを産生します。WAGR症候群の子供や大人の、睡眠のタイミング、量、質全体を改善させるのに、メラトニンの補充が役立つことがあります。

 NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/睡眠とメラトニン産生

身長
NIH WAGR
症候群・11p Deletion・無虹彩に関する研究 2006-2014 研究成果の概要/WAGR症候群における幼児期の身長
WAGR
症候群における幼児期の身長

最終更新日:20155
Kelly Trout, BSN, RN
Health Consultant
International WAGR Syndrome Association

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