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Translated by Madoka Hasegawa, June, 2015

角膜症(または角膜パンヌス、角膜瘢痕)
角膜は、眼の前にあるドーム型をしたカバーで、瞳孔と虹彩部分を覆い、完全に透き通っています。

正常な角膜

無虹彩の人は、無虹彩角膜症と呼ばれる眼の状態になる高いリスクをもっています。幼い子どもでもなり得ますが、多くの典型例では青年期や成人初期に初めて診断されます。角膜症は、角膜が混濁し、血管が角膜上に形成されることで生じます。

眼の構成

角膜症は、無虹彩の眼がもつ複数の要因の結果として生じたものであると考えられます。その要因の1つは、角膜の中や近くにある、Limbal細胞と呼ばれる特別な細胞が欠けていることです。Limbal細胞は、角膜が透明な外観を維持し刺激や傷害から回復するのを助ける働きがあるため、とても重要です。

角膜症は、初めは角膜の辺縁から始まり、次第に角膜の中央に向かって進行していきます。角膜症が進行するにつれて、角膜が透明ではなくなるので視力が低下していきます。

無虹彩角膜症

治療
無虹彩角膜症の進行は避けられないかもしれません。しかし下記のことによって、角膜症の発症を遅らせ、進行を遅らせることは可能かもしれません:
・可能なかぎりコンタクトレンズを避けること
・結膜炎(「ピンク色の眼」、眼の感染症)を早く診断し治療すること
・可能な限り防腐剤なしの目薬を使用すること
角膜症の早期には以下のようにして治療されます:
・人工涙液や人工涙ジェル
・自己血清点眼
・羊膜(移植またはコンタクトレンズ)

角膜移植
角膜症が、視機能を失う部位にまで進行した場合、角膜移植が推奨されるでしょう。残念なことに、実際には、角膜移植単独では角膜症が再発してしまいます。

現在、角膜移植はLimbal幹細胞移植と組み合わせて行われ、成功率は上昇してきています。角膜/Libal幹細胞移植は、拒絶反応を防ぐために、施術後に免疫抑制剤を使用する必要があります。

もう1つの進行した角膜症に対する治療の選択肢としては、Boston keratoprosthesis,または「KProです。これは人工角膜です。

参考:
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最終更新日:20153
Kelly Trout, BSN, RN
Health Consultant
International WAGR Syndrome Association

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