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Translated by Madoka Hasegawa, June, 2015

白内障と無虹彩
無虹彩の患者のおよそ5085%に白内障を発症します。白内障は生まれた時からあることもあるし、生きている間いつでもなる可能性があります。白内障のリスクは年齢と共に上昇します。

白内障とは、水晶体が混濁することです。水晶体はカメラのレンズのような働きをし、光を網膜に集めます。網膜は光を神経シグナルに変換します。このシグナルは視神経を通じて脳へ行き、脳はこれを画像に変換します。もし水晶体が透明でなかったら、水晶体を通った光は焦点に集まるのではなく散乱してしまい、見え方は不鮮明になってしまいます。


白内障には様々なタイプがあります。
白内障は最もよくあるタイプの白内障です。これは水晶体の中心部分に起こります。
皮質白内障は、皮質、つまり水晶体の周辺部に、楔形の濁りができてきます。
被膜下白内障は、通常、水晶体の後部の小範囲からはじまります。
先天性白内障」という言葉は、どのタイプであれ、生まれた時からある白内障のことをいいます。

一般的に、無虹彩の患者の白内障摘出手術は、白内障が有効な視力の妨げとならないかぎりは推奨されません。

治療
白内障が、視力の妨げになるほど広範である場合や視野の中心に存在する場合は、手術が必要になります。

白内障の手術(濁った水晶体を取り除く手術(訳者注))は角膜の脇に小切開をおき、水晶体を取り除きます。元の水晶体を摘出した後、通常は人工レンズを挿入します。

この人工レンズは、眼内レンズIOL(Intraocular Implant)と呼ばれます。生来の水晶体と違って、標準的なIOLの湾曲(厚み)は目に合わせて変えられず、手術後遠くや近くを見るために眼鏡が必要となる患者もいます。近眼視-遠方視を調整できる眼内レンズもあります。各個人に適したIOLの種類は、多くの要因に左右され、術者と話し合われるべきです。

白内障摘出術の時に、人工レンズを入れられない患者もいます。眼にレンズがないと(無水晶体症と言います)、たいていは強度の眼鏡が必要となります。



無虹彩患者への特別な配慮
白内障の手術はごく一般的に行われているものですが、無虹彩の患者には重要な注意事項があります。

どんな手術でも、施術のリスクと有益性を慎重に検討されなければなりません。無虹彩患者は緑内障、無虹彩角膜症(角膜パンヌスとも呼ばれます)、無虹彩線維症症候群を発症するリスクが高いです。これら合併症のリスクは、どんな眼内手術によってもさらに上昇するし、複数回の手術によりもっと増大します。

さらに、無虹彩の眼の異常は、虹彩がないあるいは低形成であるのみにとどまりません。
例えば、無虹彩の眼では角膜の厚みが増していたり、レンズの被膜やその他の構造に異常があることもよくあります。

広範なまたは中心に存在する白内障によって、視機能が実際に低下している患者では、白内障摘出術の有益性がリスクを上回るかもしれません。しかし、無虹彩の眼の白内障摘出を薦める外科医は、これらの合併症の可能性を認識し、よく精通していなければならないし、患者や親は手術のリスクと有益性をよく説明されなければなりません。

参考:
Aniridia. 2012 Oct;20(10):1011-7.doi:10.1038/ejhg.2012.100.Epub 2012 Jun 13.
Aniridia: current pathology and management. Lee H, khan R, O’Keefe M. Acta Ophthalmol.2008 Nov;86(7):708-15.

最終更新日:20152
Kelly Trout, BSN, RN
Health consultant
International WAGR Syndrome Association

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